特集荻野恭子の世界の発酵食
60カ国以上の家庭料理を食べ歩き、研究を重ねる荻野恭子さんに、世界の発酵食を伺います。今回は、中国の発酵肉をご紹介します。
荻野恭子さん
料理研究家。サロン・ド・キュイジーヌ主宰。ユーラシアを中心に60カ国を訪れ、世界の家庭料理の研究を続ける。朝日新聞「GLOBE+」にて、「荻野恭子の 世界食と暮らしぐるり旅」を連載中。
これは中国湖南省の発酵肉料理。豚肉に塩をまぶして室温に置くことで、肉が乳酸発酵し、うまみと酸味が増します。本来は寒い時期に乾燥した場所で1〜2カ月、常温においてつくるものですが、湿度の高い日本の気候の場合は、最初の半日だけ涼しいところにおき、その後は冷蔵庫で熟成させると良いでしょう。酢も一緒にまぶすことで、短時間で酸味が増します。
(つくりやすい分量)
豚肉はフォークで全体を刺して穴を開け、塩がしみ込みやすくする。
1に粗塩をすり込んでポリ袋に入れ、酢を加えて口を閉じ、よく揉み込む。
空気に触れるよう、口を軽くあけて常温に半日〜1日置き(発酵させるため)、冷蔵庫で3日ほど熟成させる。
※冷蔵庫で7日間ほど保存可能。
文/吉田佳代 写真/竹内章雄
次回は荻野恭子さんの「サンロー(酸肉)」を使ったアレンジレシピをお届けします。
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