特集荻野恭子の世界の発酵食
60カ国以上の家庭料理を食べ歩き、研究を重ねる荻野恭子さんに、
世界の発酵食を伺います。今回は、中国の発酵肉をご紹介します。
荻野恭子さん
料理研究家。サロン・ド・キュイジーヌ主宰。ユーラシアを中心に60カ国を訪れ、世界の家庭料理の研究を続ける。朝日新聞「GLOBE+」にて、「荻野恭子の 世界食と暮らしぐるり旅」を連載中。
前回、中国湖南省の発酵肉「酸肉」を仕込みましたが、もともとこの地域は「とうがらし回廊」とも呼ばれた場所。中南米メキシコ方面より、スペイン人がとうがらし、とうもろこし、豆などを運んできた影響で、こうした穀物が広まりました。
酸肉にトウモロコシ粉をまぶしてカリッと揚げる「炸酸肉」は、地元に豊富な食材を組み合わせた一品。コーングリッツがない場合は上新粉や片栗粉でも代用できますが、酢肉ととうもろこし粉との相性の良さは一度試してみる価値あり。豆板醤の辛さもよく合います。
酢肉200gは拍子木切りにし、とうもろこし粉(コーングリッツ)適量をまぶす。
フライパンに揚げ油適量を中火で熱し、1を加えてきつね色にカリッとなるまで揚げる。
2を皿に盛り、豆板醤を適量添えて香菜少々を飾る。
文/吉田佳代 写真/竹内章雄
次回も荻野恭子さんの「サンロー(酸肉)」を使ったアレンジレシピをお届けします。
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香りふくらむ日本のうまみだし