特集荻野恭子さんの世界の発酵食

「モスクワ風ボルシチ」(ロシア)[第6回]

50カ国以上の家庭料理を食べ歩き、研究を重ねる荻野恭子さんに、世界の発酵食について伺います。第7回はビーツの乳酸発酵漬けを使ったボルシチをご紹介します。

荻野恭子さん

料理研究家。サロン・ド・キュイジーヌ主宰。1974年よりユーラシアをメインに50カ国以上を訪れ、現地の家庭で料理を習い、食文化の研究を続ける。

忙しい人でも作りやすいお手軽ボルシチ

ウクライナの郷土料理であるボルシチは、地域によってつくり方や具材が少しずつ異なります。

 

もともとは、様々な種類の塊肉や骨つき肉などを使ってじっくりだしをとりますが、今回紹介するのはモスクワ風。

忙しいモスクワの主婦はボルシチも時短で作る、というわけで、ベーコンやソーセージといった加工肉を味出しに使います。

野菜は、夏は生のまま加えますが、寒い季節には、夏の間に仕込んだ乳酸発酵漬けを使うことも多いです。

今回は、前回ご紹介した「ビーツの乳酸発酵漬け」を使って、手軽なボルシチを作ります。

玉ねぎと自家製サワークリームが味のポイント

ロシア料理は、「サワークリームと玉ねぎ無くしては語れない」とも言われ、多くの料理に玉ねぎの甘みを活かし、サワークリームを加えます。このボルシチも、バターで玉ねぎをよく炒め、そこに味出し素材や漬物を加えて煮込んでいきます。玉ねぎの甘みにビーツの甘み、漬け汁のうまみも加わって、素朴な温かみのある味わいに仕上がります。

 

ロシア料理ではサワークリームがよく使われますが、日本で主に売られているものとは別のものなので、私は、プレーンヨーグルトと生クリームを同量で合わせた自家製のサワークリームを使っています。プレーンヨーグルトに生クリームを少しずつ加え混ぜながらふんわりとクリーム状にするのがコツ。冷蔵庫で1週間ほど保存できるので、作り置きすると便利ですよ。

モスクワ風ボルシチ

材料(4人分)

ビーツの乳酸発酵漬け(*前回参照)
1カップ
ビーツの乳酸発酵漬けの漬け汁
1/4カップ
ベーコン
100g
玉ねぎ、トマト、キャベツ
各50g
ローリエ
1枚
にんにくのすりおろし
小さじ1
ハーブ(ディルなど)
適宜
バター
適量
塩、こしょう
各少々

つくり方

玉ねぎは薄切りに、トマトはへたを除いてさいの目切りに、キャベツはざく切りにする。ベーコンは細切りにする。

鍋にバターを入れて熱し、ベーコン、玉ねぎ、トマト、ビーツの乳酸発酵漬けを加えて炒める。しんなりしたら水2カップを加えてローリエを入れ、20分ほど中火で煮る。

1のキャベツと、漬け汁を加え、10分ほど煮る。味をみて塩、こしょうを加え、にんにくとハーブを加えて火を止める。

器に盛り、好みでサワークリーム*を添える。

*自家製サワークリーム

生クリーム、プレーンヨーグルト各大さじ1ををよく混ぜ合わせる。

次回は大宮勝雄シェフの「さくさくしょうゆアーモンド」レシピをお届けします。

文/𠮷田佳代 写真/竹内章雄

関連記事