特集アクアパッツァ 日髙良実さんに習うおもてなし料理
「アクアパッツァ」の日髙良実さんに、しょうゆもろみを使ったイタリアンの簡単レシピを教えてもらいました。第2回はパンを加えたパンツァネッラ風サラダです。
日髙良実さん 東京・南青山「アクアパッツァ」総料理長。日本を代表するイタリアンのシェフ。素朴で力強いイタリア郷土料理の魅力を打ち出しながら洗練したスタイルを確立。温かい人柄に長年のファンも多い。
サラダをつくる際、要とも言えるのがドレッシングです。イタリアンなら、アンチョビーなどの発酵食材や塩、こしょう、それにオイル、ビネガーなどを合わせることが多いものですが、ここに和の発酵調味料である「しょうゆもろみ」を使ってみたらどうでしょうか? 老舗イタリア料理店のオーナーシェフ、日髙良実さんに試していただきました。
「しょうゆもろみには、アンチョビーや塩に替わるうまみがあるので、そのまま入れ替えてもおいしいドレッシングになりますよ」 紹介してくれたのは、パンと野菜を組み合わせて作る「パンツァネッラ風」のサラダです。これはもともと、トマトや玉ねぎなどに古くなったパンを加えて作るサラダ。今回は、季節の野菜に柔らかく蒸した鶏肉も割いて加え、ボリュームたっぷりの一品に。トマトが入るので、酢やレモンなどの酸味は加えていません。しょうゆもろみのコクとトマトの酸味がほかの野菜やパンに絡んで、新しいおいしさを生み出しています。
「しょうゆもろみは、野菜だけよりも炭水化物も組み合わせたほうが相性が良いので、まさに、このサラダにぴったりなんです。パンは、水に浸したものをよく絞って使う方法もありますが、今回は軽く焼いてドレッシングとあえました。ケイパー、アンチョビーなどもお好みで加えて構いませんが、オイルとしょうゆもろみだけのシンプルなドレッシングが本当に良く合いますよ」
さまざまな素材との相性を試してくれた日髙さん。冬なら根菜類をベースにパンと合わせたり、わかめサラダにもおすすめだそうですよ。
2〜3人分
鶏肉は厚みを均等にし、沸騰させた湯に入れて火を止める。そのまま20分以上置いて火を通し、取り出してペーパータオルで水気をふく。粗熱が取れたら食べやすく裂く。
うつわに野菜、1の鶏肉、半分に切ったゆで卵、食べやすく切って軽く焼いたバゲットを盛り付ける。
しょうゆもろみとオリーブオイルをよく合わせて乳化させ、2にかける。さっと合わせてなじませ、取り分ける。
オリーブ油としょうゆもろみは4:1で合わせる。もろみと油を乳化させることで、素材になじみやすくなる。
次回第3回は日髙さんの「鮭のムニエルしょうゆもろみソース」のレシピをお届けします。 文/𠮷田佳代 写真/木村 拓 器/工芸店ようび
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