イタリア料理において、味出しやアクセントとして使うことの多い、アンチョビーやケーパー、パンチェッタ、ガルムといった発酵食品。
「これらの代わりにしょうゆもろみを合わせてみたら、相性が良くて驚きました」と話す日高良実シェフ。
ならば、定番のカルボナーラに使ってみたらどうでしょう、とお願いしたところ、実にシンプルなレシピに落とし込んでくださいました。ソースは、生クリームもパンツェッタもチーズも加えず、卵としょうゆもろみを合わせただけ。
これを、ゆでたてのパスタに絡めて余熱を通せば、濃厚で、まろやかな、和洋折衷のカルボナーラの出来上がり。他に調味料を加えなくても、強くて複雑な味わいに。黒胡椒をアクセントにたっぷりとふって、お好みで「サクサクしょうゆアーモンド」もあわせると、食感にも変化が出て華やかな一皿になります。
「しょうゆもろみはこれひとつで味が決まるので、使う量を加減すれば塩分減にも一役買いますね」
よく考えたら、卵としょうゆもろみを炭水化物のパスタにあわせるカルボナーラは、卵かけご飯とよく似ています。
「そうなんです。合わせる際、特に相性が良いのは、炭水化物や肉類です。ミートソースを作る際に活用してみても良いと思いますよ。しょうゆもろみは和食の素材と決め付けず、イタリアンにも自由に楽しんで合わせていただきたいですね」