特集アクアパッツァ 日高シェフに習うおもてなし料理

「カルボナーラ」[しょうゆもろみでイタリアン1]

実は、しょうゆもろみは、味出しに発酵食品を多用するイタリアンにもよく合うんです。
「アクアパッツァ」の日髙良実さんに、しょうゆもろみを使った簡単レシピを教えてもらいました。

第1回 「 カルボナーラ」

日髙良実さん
東京・南青山「アクアパッツァ」総料理長。日本を代表するイタリアンのシェフ。素朴で力強いイタリア郷土料理の魅力を打ち出しながら洗練したスタイルを確立。温かい人柄に長年のファンも多い。

乳製品もパンチェッタも使わず 味わい豊かなカルボナーラに

 

 イタリア料理において、味出しやアクセントとして使うことの多い、アンチョビーやケーパー、パンチェッタ、ガルムといった発酵食品。
「これらの代わりにしょうゆもろみを合わせてみたら、相性が良くて驚きました」と話す日高良実シェフ。

 

 ならば、定番のカルボナーラに使ってみたらどうでしょう、とお願いしたところ、実にシンプルなレシピに落とし込んでくださいました。ソースは、生クリームもパンツェッタもチーズも加えず、卵としょうゆもろみを合わせただけ。

 

 これを、ゆでたてのパスタに絡めて余熱を通せば、濃厚で、まろやかな、和洋折衷のカルボナーラの出来上がり。他に調味料を加えなくても、強くて複雑な味わいに。黒胡椒をアクセントにたっぷりとふって、お好みで「サクサクしょうゆアーモンド」もあわせると、食感にも変化が出て華やかな一皿になります。
「しょうゆもろみはこれひとつで味が決まるので、使う量を加減すれば塩分減にも一役買いますね」

 

 よく考えたら、卵としょうゆもろみを炭水化物のパスタにあわせるカルボナーラは、卵かけご飯とよく似ています。
 「そうなんです。合わせる際、特に相性が良いのは、炭水化物や肉類です。ミートソースを作る際に活用してみても良いと思いますよ。しょうゆもろみは和食の素材と決め付けず、イタリアンにも自由に楽しんで合わせていただきたいですね」

カルボナーラ風スパゲッティ

材料

2人分

しょうゆもろみ
大さじ1
サクサクしょうゆアーモンド
適量
パスタ(スパゲッティーニを使用)
160g
2個
粗びき黒こしょう
少々

つくり方

ボウルに卵を溶き、しょうゆもろみを加えて混ぜる。

深めの鍋にたっぷりの湯を沸かし、1%の塩を加えて袋の表示より1~2分短めにパスタをゆでる。

フライパンに①を入れたところにゆで上がったパスタを加え、少し加熱して素早く和え、卵にほんのりと火を通す。

③を皿に盛り、サクサクしょうゆアーモンドをのせて黒こしょうをふる。

おいしさのヒント

溶き卵に、しょうゆもろみのみを合わせてソースにしました。ごく弱火で余熱を入れながらパスタに絡めるのがコツ。

次回はしょうゆ博士・舘博先生の「発酵の科学」です。次回第2回は日髙さんの「パンツァネッラ風野菜のサラダ」のレシピをお届けします。

文/𠮷田佳代 写真/木村 拓 器/工芸店ようび

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