特集分とく山 野崎洋光さんに習う家庭料理
子どもの頃から「しょうゆもろみ」に親しんできたという「分とく山」総料理長の野﨑 洋光さん。 ご飯と麺に使って、家庭料理で生かすコツを伺いました。
野﨑 洋光さん 日本料理人。福島県出身。分とく山総料理長。素材を生かしたシンプルな調理法は、家庭料理にも取り入れられる部分が多い。日本文化と真摯に向き合う料理、人柄にファンも多い。
子どもの頃から、炊きたてのご飯にしょうゆもろみをのせて食べるのが、何よりの好物だという野﨑洋光さん。 「家にはいつも、当時一斗缶で売られていた、しょうゆもろみがありました。お袋がふんわり握ってくれた白飯に、チョッとのせて食べるんだけど、香りがふわあっと立ち上ってね、それはそれはうまかったです。今でも、食べるたびに子供時代のいろんな思い出が、香りとともに浮かんできますね」
今回提案してくれた料理は、どれも調味料はしょうゆもろみしか使いません。3回にわけてお届けする和食特集の中でも最もシンプルなのが、この「鯛の白ごまもろみ茶漬け」。白ごまもろみにわずかな時間漬け込んだ鯛の刺し身を、あつあつのご飯にのせるだけ。さらに熱いお茶をかけてお茶漬けにすると、もろみの香りが一段と立ちます。ご飯ともろみの相性を知り尽くした野﨑さんならではの1品です。 「しょうゆもろみは、ひとつあるだけで、毎日のごはんづくりが楽になる、伝統的な発酵調味料。古くて新しい魅力を感じていただけたらうれしいですね」。
2人分
ボウルに白ごまもろみを入れて鯛の刺し身を漬け込み、5分ほど置く。
丼にご飯を盛り、01.をのせる。小口に切ったあさつきを散らし、わさびをのせる。このままいただいても、お茶漬けにしても。
温かい白飯に、コクのあるごま風味のもろみがよく合います。 鯛のほか、まぐろを漬け込むのもおすすめ。 また、煮切った酢を適量加えれば、まろやかな風味の和え衣としても使えます。
次回第2回は野崎さんの「豚天丼のキャベツ添え」のレシピをお届けします。 文/𠮷田佳代 写真/木村 拓 器/工芸店ようび
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白ごまもろみ
調味料 / 合わせ