特集分とく山 野崎洋光さんに習う家庭料理
「分とく山」の野﨑洋光さんおすすめの使い方は しょうゆもろみをソースのように使うこと。 栄養もボリュームも満点の、ワンプレートメニューを教えていただきました。
野﨑 洋光さん 日本料理人。福島県出身。分とく山総料理長。素材を生かしたシンプルな調理法は、家庭料理にも取り入れられる部分が多い。日本文化と真摯に向き合う料理、人柄にファンも多い。
今回野﨑さんがご提案くださった『豚天丼のゆでキャベツ添え』は、「しょうゆもろみ」をソースのように、直接かけていただく料理。豚肉は塩こしょうをふり、粉をまぶして少なめの油でカリカリに揚げたもの。温かいごはんの上に薄く切った玉ねぎと貝割れ菜を広げ、揚げた豚をのせて、ゆでたてのキャベツを添えます。 「新鮮でしょう。ソースというと甘辛いものを思い浮かべがちですが、あつあつの素材に『しょうゆもろみ』をかけると素材とのからみもよく、香りがふわあっと立って、キリッとしたコクとうま味が楽しめます。塩分を気にする方もいらっしゃいますが、少量でも和えやすいのが良いですね」
鉢物に盛りつけてワンプレート風にしているのは野﨑さんおすすめの器づかいです。普段から、中くらいの平鉢を丼に見立てたり、おかずの盛り鉢として使うそうです。 「一つの用途だけでなく、いくつも使い回すのが今っぽいんじゃないかしら。そう考えると、丼はあまり深すぎるより、少しなだらかな方が使いやすく食べやすいかも知れません」
日々、大学生の娘さんとの3人家族で囲む日々の食卓では、鉢物におかずを盛り付けて卓上に並べ、少し大きめの皿を取り皿に、めいめいが取り分けていただくことが多いそう。 「日本が貧しかった時代は、料理が貧弱な分、派手な絵付けの器が好まれた時代もありました。今は食材の流通事情がよくなった一方で、アクや味の強さのない素材が増えました。ですから、シンプルに調理してあっさりいただく方がいい。器も、シンプルなほうが素材が映える気がします。粉引や染付、白磁などの器が好きですね」
2人分
天ぷら衣
玉ねぎはうすい半月切りにし、貝割れ菜は3㎝長さに切って水に放し、ざるに上げる。キャベツはサッとゆでて食べやすくちぎる。
豚肉の両面に塩、こしょうをふり、小麦粉をまぶす。天ぷら衣にくぐらせ、170℃の揚げ油で揚げてひと口大に切る。
丼に温かいご飯を盛って1の玉ねぎと貝割れ菜を敷き、豚肉とキャベツをのせる。しょうゆもろみをかけていただく。
次回第3回は野崎さんの「あさりのサクサクしょうゆ麺」のレシピをお届けします。 文/𠮷田佳代 写真/木村 拓 器/工芸店ようび
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しょうゆもろみ
調味料 / 基礎