特集発酵でおいしいおもてなし

飛田和緒さんの しょうゆもろみでおもてなし[第2回]

「普段料理の延長上におもてなし料理があるのが私の料理」と話す飛田和緒さん。そんな飛田さんに、しょうゆもろみを使ったおもてなし料理をつくっていただきました。

今回は冷凍そうざい「牛すじの煮込み」を使った、和のおもてなしにも便利な2品をご紹介します。ちょっとしたアイデアで、グンとメニューが広がります。

飛田和緒さん
料理家。旬の素材を生かした、つくりやすくセンスのよい家庭料理に定評がある。普段ご飯をおもてなしにグレードアップさせる技はお手のもの。著書に『常備菜』(主婦と生活社)、『私の保存食手帖』(扶桑社)ほか多数。

「牛すじの煮込み」はアレンジ自由自在!

あたためればすぐに食べられる「牛すじの煮込み」のような冷凍そうざいは何かと便利です。しょうゆもろみを使った煮込みの煮汁は味もまろやか。調味料として使えば、気の利いたアレンジが手軽にできて、和のおもてなしにも重宝します。

「鍋仕立てにする場合には、大根ほか、こんにゃくなどを煮ておき、牛すじの煮込みと一緒に煮ます。一度煮立てたら、汁が冷めていく段階で味が染みるので、食べる時には再度温め、七味などをふります。そう、作り置きができるんです」と飛田さん。小鍋仕立てにすると、見た目にもおしゃれ。おもてなし仕様になります。日本酒のおつまみにもよいですね。

牛すじ大根

材料

4人分

牛すじの煮込み(解凍)
2パック
大根
1/3本

つくり方

大根は皮をむいて3cm厚さに切り、縦に4つ割りにし、面取りする。米のとぎ汁に入れて火にかけ、やわらかくなるまでゆで、水にとってよく洗う。

鍋に牛すじの煮込みと1を合わせて入れ、10〜15分温めて火を止め、そのまま冷ます。

炊き込みご飯に、お好み焼きに、オムレツにも

もう一つ、飛田さんがおすすめするのが、炊き込みご飯の素として使うこと。煮汁と水分を合わせてご飯を炊く水分量に調整し、普通に炊くだけ。もち米を少々加えることでおこわ風になって、もちもち感がアップします。
「ごぼうやレンコンなどを加えて炊き込んでも風味が増します。好みでネギなど薬味をのせるとよいでしょう」

 

また、汁気をきって刻んだ具を粉とねぎ、卵とまぜてお好み焼きにするのも「なかなかいける」そう。

 

「ほかに調味料を使わないのが手軽でいいですね。牛すじの煮込みを具にして、大きなオムレツにするのも良さそうです。調理済みだからとそのまま食べずに、手の届く範囲のアレンジを考えると、ぐんと幅が広がりますよ」

牛すじの炊き込みご飯

材料

4人分

牛すじの煮込み(解凍・汁気をきり、汁と分けておく)
2パック
米(あれば1つかみのもち米と合わせて)
2合
小さじ1/2

つくり方

米は洗って炊飯器に入れ、牛すじの煮込みの煮汁と合わせて分量の水とし、牛すじ肉の煮込みをのせて塩をふり、普通に炊く。

おいしさのヒント

煮汁を調味料にして炊き込みます。
もち米を好みで加えれば、もちもちな食感に。

次回第3回も、飛田さんの、しょうゆもろみの冷凍そうざいを使ったおもてなしレシピをお届けします。

文/𠮷田佳代 写真/竹内章雄

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