特集発酵でおいしいおもてなし

飛田和緒さんの しょうゆもろみでおもてなし[第4回]

「普段料理の延長上におもてなし料理があるのが私の料理」と話す飛田和緒さん。そんな飛田さんに、しょうゆもろみの冷凍そうざいを使ったおもてなし料理をつくっていただきました。
今回は冷凍そうざい「最上鴨のロース煮」を使った、急なおもてなしにも困らない便利な2品をご紹介します。アレンジ次第で、メインにも前菜にも。

飛田和緒さん
料理家。旬の素材を生かした、つくりやすくセンスのよい家庭料理に定評がある。普段ご飯をおもてなしにグレードアップさせる技はお手のもの。著書に『常備菜』(主婦と生活社)、『私の保存食手帖』(扶桑社)ほか多数。

「最上鴨のロース煮」を使って パパッとできる前菜とメインおかず

鴨肉をはじめとするジビエは、肉の扱いや火の通し具合など、自分で料理するとなると少々ハードルが高い素材です。そんな方におすすめしたいのが、こころダイニングの冷凍そうざい「最上鴨のロース煮」。

これは、「日本で最も美しい村」として注目を集める、山形県の大蔵村で大切に育てられた鴨を使った逸品です。山形県産米を飼料に育てられたため、甘味が強くて脂の香りもよく、肉質にもくせがなく上品な味わい。これを、「しょうゆもろみ」と山椒で漬け込んでいます。飛田和緒さんは、この鴨ロース煮を活用して、人が集まる日に最適な、なんとも美味しい前菜とメインのおかずを作ってくれました。

前菜には、すでに火が通っていることを生かして、常温のおいしさを楽しむ「オープンサンド」を。
「これは、鴨を薄く、薄く、スライスするのがコツ。肉のとろりとした甘味が味わえます。半解凍ですと、薄切りしやすいですね」

メインは、寒い季節にふさわしく、根菜と合わせた一品に仕立てました。
「鍋にごぼうをたっぷり敷き詰めて、鴨のロース煮は冷凍のままのせ、ふたをして汁ごと蒸します。もともと火が通っているので、温める程度のイメージで。ごぼうに火が通った頃、ちょうど鴨肉も温まっています」

少し蒸らしてから切り分けたら、盛り付けは大皿でも、銘々でも、お好みで。ふんわりと蒸された鴨肉に、山椒とごぼうをのせ、ソースをからめていただきます。ワインなら、泡も赤も白も、よく合いそうです。ぜひお試しください。

鴨のロース煮のオープンサンド

マヨネーズとオイルを合わせてパンに塗り、ごく薄く切った鴨肉をのせます。
山椒のさわやかな香りが、ワインにぴったり。

材料

4人分

最上鴨のロース煮
1パック
バゲット
1本
オリーブ油、マヨネーズ
各適量
バゲット
1本

つくり方

バゲットは8㎜ほどの厚さに、最上鴨のロース煮はできる限り薄く切る。

バゲットにオリーブ油とマヨネーズを少量ずつ塗り、1の鴨肉をのせて煮汁の中の実山椒と白髪ねぎをのせる。

おいしさのヒント

鴨は少し凍っている状態の方が薄く切りやすいので、切る時は半解凍で。

鴨のロース煮とごぼうの蒸し物

鴨のうまみをごぼうにたっぷりと吸わせた蒸し物です。簡単なのに豪華に見えるので、メイン料理としてぜひ。
パンにもごはんにも合います。

材料

4人分

最上鴨のロース煮(漬け汁ごと)
1パック
ごぼう
小1本(100g)

つくり方

ごぼうは5㎝ほどの長さのマッチ棒状に切り、5分ほど水にさらして厚手の鍋に入れて広げる

最上鴨のロース煮を、冷凍のまま、ごぼうの上にのせ、蓋をして中火にかける。ふつふつとしたら弱火にして10分ほど煮て、火を止めて粗熱が取れるまでおく。

鴨肉を薄く切り、ごぼうとともに器に盛る。

おいしさのヒント

凍ったまま蒸すので、急なおもてなしにも対応できる。
粗熱が取れるまでおくと、よく味がしみる。

次回は日髙良実シェフの、しょうゆもろみを使ったイタリアンレシピをお届けします。


文/𠮷田佳代 写真/竹内章雄

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