最上鴨の美味しさの理由、それは飼育方法にあります。まず、地鶏のような平飼いであること。思い思いに動き回り、お気に入りの場所で憩う姿に、こちらまでほっこりと癒されてしまいます。加藤さんによれば、気候のよい時季には屋外での散歩も。鴨は“右へならえ”とばかりに集団で行動するので、ちゃんと列をなして歩くのだそうです
しかし呑気そうに見える鴨も、じつはとてもデリケートで、ストレスの影響を受けやすい生きものなのだとか。そこで加藤さんは、鴨たちがストレスフリーで暮らせるよう鴨舎にさまざまな工夫を施しました。鴨の寝床ともなる床の敷料は、クッション性・吸水性・断熱性にすぐれたもみ殻やそば殻、おがくずなどを混ぜたもので、その割合は、温度・湿度の変化に応じて加減。さらに、専用に開発した堆肥をベースにすることで、衛生性を高めています。