特集四川飯店 陳健太郎さんに習う家庭料理
「定番料理にコクと深みを出してくれる」と、しょうゆもろみにぞっこんの陳建太郎さん。家庭のコンロでおいしくできる炒飯を教えてもらいました。
陳 建太郎さん 赤坂 四川飯店にて、祖父・建民、父・建一より四川料理の技を受け継ぐ。中国・四川省での料理修業を経て、伝統の味に現代のエッセンスを加えた料理を発表している。
陳建太郎さんの3回目は、しょうゆもろみを生かした炒飯です。家庭では、どうしても軽さが出にくい炒飯ですが、陳さんの技を使えばパラパラのおいしい一品に。また、しょうゆもろみを下味と仕上げ、二度に分けて加えるのも大きなポイントです。最後に加えて火入れをすることで、香ばしさが引き立ちます。
「この炒飯はまさに、わが家の大定番とも云うべき一品。しょうゆには香り、うま味、甘味、塩味、苦味、酸味といった五味があって味が完成されていますが、しょうゆもろみはその前の段階のもの。絞って磨かれていない分、味も深くて香りの種類も多いんです。そこを生かそうと、このレシピでは、しょうゆもろみを二度に分けて使いました」
「まず、ご飯に溶き卵とともにしょうゆもろみを加え、表面をコーティング。これを、フライパンに広げてじっくりとパラパラになるまで炒めていきます。
「お店とは火力が違いますので、家庭用コンロの場合、フライパンの底にご飯を広げて焼き付けるようにし、水分を飛ばしながら炒めるとよいでしょう」
陳さんが、最後に仕上げのしょうゆもろみを加えると、ふわあっと香ばしい香りが立ち上りました。手早く絡めて出来上がりです。
「この方法を軸にすれば、チャーシューや海鮮、野菜など、お好みの素材を足すことで、無限に炒飯のバリエーションが広がります。特に、火入れして香りを立たせる方法は炒め物にも応用できるので、覚えると料理の幅が広がりますよ」
もう1品の「中華風おつくり」は、陳さんの定番おつまみだそう。
「今回は鯛で作りましたが、季節によって、いかやまぐろ、白身など好みのものを組み合わせてサラダ感覚でどうぞ。ちょっとぜいたくだけど、ウニで作ったりすると、もう、大ごちそうです」
2人分
A
B
ボウルに卵を溶き、 Aを加えてよく混ぜる。ご飯も加えて全体に絡めるように混ぜ合わせる。
フライパンに油をひいて熱し、温まったら1を加えて平らに広げ、水分をとばすようにしながらぱらぱらな状態になるまで中火〜強火でよく炒める。
ねぎを加えてサッと炒め、鍋肌からBを加えて香りを立たせ、火を止めてこしょうをふる。
チャーハンには、「サクサクしょうゆアーモンド」をのせると、止まらないおいしさに。フライドオニオン的な香りと油分、食感のアクセントがよく合います。1人盛りでも、またはお店のように2人分を大きめの皿に盛り、取り分けるスタイルにしても楽しいですね。
きゅうりは皮をむき、縦4つ割りにしてスプーンで種をこそげ、刺し身の長さに揃えて切る。塩少々(分量外)をもみこみ、少しおいて水分が出たら水洗いし、水気をふいて下味の調味料をまぶす。ねぎはせん切りにして水にさらし、水気をふいて白髪ねぎにする。Aは合わせておく。
器に1のきゅうりを並べ、覆うように鯛をのせる。 Aをかけて白髪ねぎをのせ、熱したサラダ油をジュっとかける。
芽ねぎや穂じそをあしらい、鯛できゅうりと薬味を包んでたれを絡めながらいただく。
しょうゆもろみ:紹興酒を2:1で合わせ、刺身を漬けこんででいただくのおすすめ。
次回は荻野恭子さんの「世界の発酵食」をお届けします。 文/𠮷田佳代 写真/木村 拓 器/工芸店ようび
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