特集玄米の炊き方

玄米で健康に

『栄養価が高く健康的』なイメージのある玄米ですが、実際どれほどすばらしいものなのでしょうか?
今回は、琉球大学大学院 医学研究科で玄米の最新研究をなされている益崎裕章教授に、玄米のすばらしさと可能性についてお伺いしました。

益崎裕章(ますざき ひろあき)

琉球大学大学院医学研究科 内分泌代謝・血液・膠原病内科学講座(第二内科)教授。琉球大学病院 栄養管理部長・総合診療センター長。

天然の完全食とも称される玄米の中にはビタミンやミネラル、微量元素、食物繊維をはじめ私達を健康に導いてくれる成分がバランス良く豊富に含まれています。

日本食品標準成分表2015年版(七訂)から引用
※:高機能玄米協会資料から引用

おもな栄養素の働きと効果

私達、琉球大学第二内科の研究チームではBRAVO研究と名付けられた沖縄県在住の壮年期肥満男性を対象とする臨床試験を実施し、内臓脂肪型肥満や糖脂質代謝異常に対する玄米食の効果を検証しました。
 その結果、1日3回の白米主食だけを等カロリーの玄米に2か月間、置換することにより、顕著な体重減少、食後の高血糖改善、血管機能の改善、脂肪肝の改善、動物性脂肪に対する嗜好の軽減効果が認められました。

体重の変化

BMIの変化

腹囲の変化

文献:Michio Shimabukuro, Moritake Higa, et al. Effect of the brown rice diet on visceral obesity and endothelial function: the BRAVO study. British Journal of Nutrition (2014), 111, 310-320 改変

この結果を踏まえ、他の穀類には含まれず、玄米の中にだけ存在する機能成分について研究したところ、動物性脂肪を摂り過ぎ、病みつきになりがちな現代人の食行動異常を玄米の機能成分、γ-オリザノールが効果的に改善するメカニズムを世界で初めて突き止めました。

動物性脂肪を好んで食べるヒトやマウスの脳では、特に食欲を調節する指令塔、視床下部において小胞体ストレスという代謝ストレスが高まっており、そのことが動物性脂肪をさらに渇望する悪循環を招いていました。
 一方、γ-オリザノールは視床下部の小胞体ストレスを低下させ、動物性脂肪に対する依存的食行動を緩和し、食べても”満足できない脳”を“足る”を知る脳に変える効果を発揮します。

日本人の食のシンボルであるコメ、特に、玄米の中に優れた抗メタボ・脳機能改善物質が豊富に含まれていることは重要な発見です。無理なダイエットから脱却し、自然なかたちで肥満症や糖尿病、食行動異常を予防する手段として玄米を賢く活用することを提案したいと思います。