脳の健康を守るため-防ぎたい糖化イメージ

《脳を元気にする食だより》

脳の健康を守るため 防ぎたい糖化[前編]

大人の脳は体重の約2%程度で、1.2〜1.5㎏ほどの重さです。小さな部位ですが計算や思考、言語などのとても重要な役割を果たしています。脳がしっかり働くために必要な主な栄養素は糖質です。

糖質は体内でブドウ糖に分解され、脳の活動に利用されます。しかし、糖質を摂りすぎると、エネルギーとして使い切れなくなります。

余った糖質は、体内のたんぱく質などと結びつき、細胞を劣化させる「糖化」という現象を起こします。

 

糖を摂りすぎるイメージ

【糖化って、何?】

クエスチョンイメージ

糖化とは、体内でたんぱく質と余分な糖質が結びついて細胞などを劣化させる現象だとお伝えしました。身近な例として、ホットケーキを思い浮かべてみましょう。ホットケーキをつくるときに小麦粉や砂糖(糖質)と卵や牛乳(たんぱく質)を混ぜて加熱すると、おいしそうな色合いが生まれるのも糖化の一例です。

 

しかし、同じような糖化反応が人間の体内でも起こると問題が生じます。体内で余分になった糖は、たんぱく質と結びつき、「AGEs(終末糖化物質)」という物質ができます。AGEsは一度できると分解が難しく、体内に蓄積されます。

 

血管に蓄積すると血管がかたくなり、進行すると心臓や脳にかかわる病気のリスクが高まるといわれています。そのため、糖化を予防することが大切なのです。

ナースの注意画像

【参考文献】・岩川 愛一郎、水嶋 昭彦、他:「知りたいことが1冊ですべてわかる!人体の全解剖図鑑」、日本文芸社、(2015)・植木もも子:「動脈硬化を防ぐおいしいレシピ」、新星出版社、(2014)・貴堂 明世:「役立つ栄養学 100レシピ&500食材べんり帳」、主婦の友社、(2018)・厚生労働省:「ブドウ糖」、 e-ヘルスネット、https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-030.html、(閲覧日:2023年6月13日)・Carabotti M, et al. The gut-brain axis: interactions between enteric microbiota, central and enteric nervous systems, Ann Gastroenterol. 2015 Apr-Jun; 28(2): 203–209.・兵庫医科大学病院情報誌:「腸内環境を整えて健康に」『ここらいふ』、2022年4月1日、vol.28、p.2-4