幸せホルモン「セロトニン」とは? セロトニンを増やす5つの習慣 

人はどうやって幸福を感じるのか?

人は幸せホルモンが脳内に出ると幸福を感じます。

 

脳内ホルモンは100種類あると言われています。アドレナリン、 ノルアドレナリン、 GABA、 エンドルフィンなど聞いたことのあるものもあると思います。

 

その中でも、3大幸せホルモンと言われているが、ドーパミン、セロトニン、オキシトシンです。この3つの幸せホルモンは、つくる順番が大切です。

 

まず土台となる幸せホルモンは、こころとからだの健康セロトニンです。このセロトニンがなければ、上に積み上げられず安定しません。

 

次に、家族や友人とのつながりの安心感を感じるオキシトシンをつくります。

 

そして最後に、成功やお金を得た時に感じるドーパミンをつくるのです。

 

 

幸せホルモン「セロトニン」の材料は、腸内細菌がつくる

 私たちが脳内で幸せを感じるセロトニンの材料は、実は腸内細菌がつくっているのです。

 

口から入り、胃で消化された食べ物はタンパク質からアミノ酸になり、小腸で栄養が吸収されます。

 

それがトリプトファンに変化しますが、さらにトリプトファンから脳幹を通過するために、5ーHTPに変換されます。

 

 この変換タイミングで使われる材料が、ビタミン M(葉酸)、 鉄、ビタミンB3、 ナイアシンでこれらを腸内細菌がつくります。脳幹を通過した5-HTPは、ようやく脳の中でセロトニンになります。

 

セロトニンは、その後睡眠ホルモンのメラトニンに変化します。幸せホルモンのセロトニンは、腸内細菌がしっかり活動しないと生まれないのです。

 

腸内環境をととのえることは、こころの幸せにも関係しているのです。

 

かけがえのない幸福セロトニン

では、どんな時にセロトニン 的幸福が生まれるのでしょうか?

 

それは、忙しくてバタバタしている時ではなく、ゆったりとした気分になっている時、朝のウォーキングやヨガ、お風呂に入っている時などです。

 

「朝起きて気分がさわやかな感じ、今日もすがすがしい。」

 

このかけがえのない幸福が、セロトニン的幸福です。静的なセロトニン的幸福がこころの土台にあって、初めて動的なオキシトシン的幸福とドーパミン的幸福が手に入ります。

 

 

幸せホルモンセロトニンに良い5つの習慣 1)質の良い睡眠をとる

 

セロトニン的幸福を手に入れる5つの習慣をお話しします。

 

まず1つ目は、「質の良い睡眠をとること」です。

 

私たちの自律神経は、昼間の活動時に働く交感神経と、夜間の睡眠時に働く副交感神経の2つに分けられます。

 

腸は、副交感神経が優位な睡眠中に活動します。腸内の腸内細菌がセロトニンの材料をつくるため、睡眠中の深い眠りはとても大切なのです。

 

睡眠はその時間ももちろん大切ですが、質がもっと大切です。深い睡眠を得るために、副交感神経を優位にした状態で入眠することが必要です。

 

 

深い眠りに入る準備が大切

寝る1~2時間前には、電気を暗くしてベッドやお布団で、のんびりゆったりリラックスしましょう。

 

心地よい音楽や、香りを楽しんだり、1日を振り返って日記を書くことがおすすめです。3年3行日記のような気軽に書けるものが、続けやすくておすすめです。

 

今日あったことを書くと、頭の中にあるモヤモヤを空っぽにしてから、眠りに入ることができます。

 

また寝る場所でスマートフォンを見たり、寝る直前までテレビを見ることは、その光が脳を覚醒させて深い眠りの妨げになります。

 

電磁波により、睡眠ホルモンメラトニンも破壊されてしまいますので、活字の本で読書をしたり、雑誌を見たりゆっくりと過ごすことが深い睡眠のために効果的です。

 

 

幸せホルモンセロトニンに良い5つの習慣2)朝に散歩する

朝に散歩することは、セロトニン的幸福を手に入れる最高の習慣です。

 

その理由は、「朝日を浴びる」「リズムよく歩く」ことでセロトニンが活性化するからです。

 

さらに、「朝日を浴びる」ことで体内時計をととのえられます。

 

寝ている間に高まっていた「副交感神経」から、日中の活動に必要な「交感神経」に切りかわるのです。

 

つまり朝散歩は、自律神経もととのえる一石二鳥のこころに良い習慣なのです。

 

公園や河原などを朝に無心で歩くと、すがすがしい気分になりますよね。

 

瞑想のかわりにもなりますので、ストレスを解消するのにとてもおすすめです。。

 

また、朝に交感神経にスイッチを入れると15時間後にスイッチが切れます。

 

そして、副交感神経が高まるように体内時計はセットされています。

 

実は、朝の散歩は深い睡眠を得るためにも効果的な習慣なのです。

 

ぜひ取り入れてみてください。

 

 

しかし、仕事をしていると朝はなかなか時間が取れません。

 

そんな方には、通勤のひと駅前から歩くのをおすすめします。

 

私は、勤務先が虎ノ門なのですが、天気の良い日はいつも降りる駅の手前の東京駅で降りて会社まで歩きます。

 

皇居のお堀を通って、日比谷公園の季節の木々や花を見ながら朝の散歩をすると、すがすがしい気持ちになります。

 

会社につくとさわやかな気分でスタートできるので、仕事のパフォーマンスもUPするような気がします。

 

また、自宅で仕事するときは近所の神社まで行ってお参りします。

 

これも良い気分で一日をスタートできるので、習慣にしています。

 

 

幸せホルモンセロトニンに良い5つの習慣3)腸に良い食事をとる

腸は幸せホルモンの材料工場です。

 

その理由は、ビタミンM(葉酸)、鉄、ビタミンB3(ナイアシン)といった幸せホルモン「セロトニン」をつくるための材料を腸内細菌がつくるからなのです。

 

腸内環境(腸内フローラ)を良く保ち、腸内細菌がうまく働けるようにしておくことがこころの健康にとっても大切なのです。

 

では、腸内環境をよく保つために善玉菌を増やす3つの食事法を見ていきましょう。

 

 

善玉菌を増やす「水溶性食物繊維」

水溶性食物繊維は、水に溶ける性質の食物繊維で善玉菌のえさになります。

 

わかめやめかぶ、昆布などの海藻、もち麦やらっきょう、おくら、かんきつ類やりんごなどの果皮に含まれます。

 

食生活の中で意識しないと、十分にとれないので毎朝のごはんで食べるのがおすすめです。

 

また、大腸で便のすべりを良くしてくれるはたらきもあります。

 

腸の中でねばねばになり、糖質の消化吸収を抑え、コレステロールを吸着して出してくれます。

 

水溶性食物繊維は、腸の中でとても大切な役割を果たしてくれるのです。

 

 

善玉菌を増やす「オリゴ糖」

オリゴ糖は、大腸で善玉菌のえさになり善玉菌を増やします。

 

水溶性食物繊維と並んで、腸活のために必ずとりたい栄養素です。

 

では、オリゴ糖はどんな食材に含まれているかご存知ですか?てんさい糖などにオリゴ糖が含まれるので、お砂糖のイメージが強いかもしれません。

 

実はオリゴ糖は、しょうゆやみそ、日本酒などの発酵食品、納豆やきなこになる大豆、玉ねぎ、にんにく、ごぼう、バナナなどにも含まれています。

 

こうしてみると日本にはオリゴ糖の含まれる発酵食品がたくさんありますね。またオリゴ糖は、赤ちゃんが飲む母乳にも含まれています。赤ちゃんの腸活にも役立っているのです。

 

「発酵食品」で菌そのものをとる

善玉菌を増やすためには、乳酸菌、納豆菌などを含む発酵食品を食べるのがおすすめです。

 

しょうゆ、みそ、みりん、日本酒、こうじ、甘酒、かつお節、ぬか漬け、キムチ、ヨーグルト、納豆などです。

 

世界の中で、日本人が長寿であることをみると、日本の発酵食品がわたしたちの腸内に良い影響を与えてきたのかもしれません。

 

コマーシャルで「生きて腸に届く乳酸菌」と強調されていますが、「殺菌されて死んだ発酵菌」でも腸内フローラに良い影響があることが分かってきました。

 

1種類の乳酸菌だけでなく、いろんな種類の発酵菌をたくさんとったほうが、 腸内環境の多様化を促してくれるでしょう。

 

幸せホルモンセロトニンに良い5つの習慣4)幸せ3行日記をつける

セロトニン的幸福を手に入れる5つの方法の4つ目は、「幸せ3行日記をつける」です。

 

日記というと、「めんどうでなかなか続かない・・・」というイメージがありますよね。

 

かくいう私も、子供のころから何回か書いてはみたものの1カ月も続かずにやめてしまう。という経験があります。

 

しかし、3行であればストレスなく続けられるのです。

 

寝室の枕元に日記とペンを置いておき、寝る前に今日あった「楽しかったこと」、「しんどかったこと」、「明日やりたいこと」をたった3行思い出して書きます。

 

3行日記の良さは、寝る前に頭のなかにある一日のモヤモヤや心配事を日記帳に落とすことができることです。

 

私も書き始めてから、寝てから変な夢をみたり、うなされにくいと感じます。

 

書くことで安心感が生まれ、リラックスして眠れるのです。

 

その上、睡眠前に副交感神経を優位になり、幸せホルモンのセロトニンを放出することが出来るのです。

 

おすすめの日記帳は、「3年日記」といってタテに同じ日が3年分かけるものがおすすめです。

 

書く時も、1年前、2年前の今日は何をしていたのか、「あーそういえば、こんなことしていたな~」と振り返りもできて楽しいです。

 

幸せホルモンのセロトニンを出すだけでなく、今日という日を振り返り、明日に向かう気持ちができる素晴らしい習慣です。

 

日記をつけると自律神経が整います。

 

自律神経が整うと、次の5つの効果があります。

 

1.女性ホルモンの分泌が良くなる

2.肌細胞の新陳代謝が良くなる

3.血流が良くなって細胞が元気になる

4.腸のはたらきが良くなりキレイな血液になる

5.ストレスに強くなって肌やこころにハリがでる

 

お金もかけずに、これだけの効果が得られるのです。

 

3行日記で自律神経を整えて、からだもこころも元気になりましょう。

 

ぜひ、「3行日記」とネットで検索して購入して初めてみるのをおすすめします!

 

 

幸せホルモンセロトニンに良い5つの習慣5)月に1回自然の中で過ごす

セロトニンに良い習慣の5つめは、「月に1回自然の中で過ごす」です。

 

フィンランドの研究では、1ケ月に5時間以上自然の中で過ごすとストレスが大幅に減る。と報告されています。

 

自然の中では、リラックスすることができるので、幸せホルモン「セロトニン」が活性化されるのです。

 

さらに3つの効果があるとされています。

 

脳の活性化

想像力・集中力がUP

うつ病の予防

 

1ケ月で1日から2日休みをとり、都会を離れて緑や水のある自然へ行く習慣がおすすめです。

 

私も、この話を聞いて学生時代から30年ぶりにキャンプを始めました。

 

瀬戸内海のしまなみ海道や、北海道に行き自転車に乗ってソロキャンプツーリングしたり、友人と車や電車で奥多摩や三浦半島へ一緒に行って土地の食材を買って、たき火料理を楽しんでいます。

 

自然の中で、チェアに座って風を感じて、森の中で美味しい空気を吸うだけで日頃のストレスがなくなる実感があります。

 

食事やお酒を楽しむとさらに、効果が倍増するような気がします。

 

都会でも、休日に公園や河原、海辺を散歩したり、お弁当とコーヒーを持っていきゆっくりするするのもいいですね。

 

最近の研究では、自然の中で癒されるのは、2つの理由があると分かってきました。

 

1つは、森林から出る「マイナスイオン」

 

もうひとつは、植物からでる「フィトンチッド」という物質です。

 

これはヒトや動物を癒すリラックス物質です。

 

どうしても日常生活の中でストレスはたまりますので、定期的に流すことが大切だと感じます。

 

この習慣は、ただ自然の中に身を置くだけで「セロトニン」が活性化されるので、ぜひおすすめです。

 

月に1度、温泉などちょっとした旅行に行くだけでもいいですね。

 

さて来月は、どこへ行きましょうか?

 

 

幸せホルモン「セロトニン的幸福」を生む良いサイクル

幸せホルモンの「セロトニン」を活性化させるためには、5つの習慣・こころとからだの健康・気持ちいい・感謝の良いサイクルを回すことが大切です。

 

そのためにはまず、こころにゆとりとからだにしっかりと睡眠と休息をあたえてあげましょう。

 

その上で、5つの習慣を生活にとり入れて自分自身をメンテナンスしましょう。

 

「セロトニン」的幸福を生む5つの習慣は、

 

1.質の良い睡眠をとる

2.朝日を浴びて散歩する

3.腸に良い食事をとる

4.幸せ3行日記をつける

5.月に1度自然の中で過ごす

 

でした。

 

この習慣を続けることで、こころとからだがととのいます。

 

すると、自律神経のバランスが良くなるので精神的にも安定します。

 

自律神経は、交感神経と副交感神経の2つに分かれます。

 

昼間の活動期は、交感神経が優位になります。

 

夜間の休息期は、副交感神経が優位になります。

 

意識してととのえたいのが、副交感神経です。

 

副交感神経は無意識のうちに、内臓や血管などの動きをコントロールしています。

 

腸の活動も副交感神経が優位な睡眠中に行われます。

 

緊張や興奮が続くと、交感神経が優位になりすぎてからだも休まりません。

 

オフの時間を大切にすることで、こころとからだの健康が保たれて、気持ちにゆとりができます。

 

気持ちにゆとりができると、人やものへの感謝の気持が生まれて幸せホルモンの「セロトニン」が活性化して良きサイクルが回り始めるのです。

 

 

自分を犠牲にして、完全に燃え尽きるまで働いてはいけない

私たちは、がんばることが当たり前という感覚で生きています。

 

そのため、仕事や子育て・家事などを目いっぱいこなし、自分を犠牲にしてしまいがちです。

 

しかし完全に燃え尽きるまで働いてしまうと、なかなか元に戻すことができません。

 

自分を犠牲にして、完全に燃え尽きるまで働いてはいけないのです。

 

ストレスを解消して、自分をメンテナンスするスケジュールをあえて決めることも大切ですね。

 

未来の健康を保つために、自分のこころとからだをメンテナンスする時間をしっかりつくりましょう。

 

 

参考文献 

「3つの幸福」樺沢紫苑

「こころの免疫学」藤田紘一郎

「健康は時間で決まる」根来秀行

「腸を鍛える」光岡知足

「3行日記を書くとなぜ健康になれるのか」小林弘幸